2007年7月9日月曜日

セカンドオピニオン(診断編)

先生の一言めは「良心的な先生ですね」
既にじゅうぶん説明受けていてアナタの質問に答えてくれてるよ、と。

その後説明してくれたのは、まず一般論。
・悪性有無はわからない。「取り出したものを検査しないとわからない」と言われた患者は
不安になるかもしれないけど、そういうもん。
血腫があると悪性の可能性が高いと言われているが、私の場合はそんな兆候はない。
・病院や医師によって手術する/しないの基準が違うのはしょうがない。
MRIが普及する15年前くらいまでは「悪性だったら怖いので、こぶし大以上なら手術」が
普通だったので、その頃最前線だった60代以上の医師はすぐ手術って言いたがる人もいるとか。
J大学病院では大きさは関係なくて①貧血があるか②閉経まで我慢できるか
③不妊・流産の原因になっていないか、の3つで手術を勧めるかどうか決める。
しかし③についても経験則で6cmを基準としているが
T大学病院ならもっと大きくなるまで手術しない、など科学的な裏づけはない。
もっと大きくても産んだ人もいるんだって。ただ、不妊や流産はまだいいけど
早産は赤ちゃんに障害が出たりして困る、と先生は言っていた。(そりゃ不妊や流産は
処置だけですむから医者はそう思うかもしれないけどさ、患者はどれも困るよね。)

で、私の場合
・だいたい10cmの筋腫がある。
真ん中が色が違っているのは、血がいかなくなって変性し壊死しているだけで問題ない
(これは初耳、前に説明受けたときは色の違う箇所がない写真だったの)
・貧血があるので手術した方がよい。
「治すには妊娠出産するのが一番なんだけどね~」と軽く言われてしまった。
で、「産んじゃった後再発したら摘出すればいいんだ」と。
傷つくような言い方ではないので平気だったけどさ。
腹腔鏡手術の必要はない。この場所・大きさだと手術の際に内膜が傷つくのが避けられず、
子供を産むときは帝王切開になってしまうので頑張って傷を小さくしたところで、
腹腔鏡手術に伴う合併症とかのリスクを侵す価値がない、という状態。
・リュープリン注射は、手術時の出血を少なくするため6ヶ月しっかり受けた方がよい。
・J大学病院で手術するなら腹腔鏡は1年半待ち、開腹でも来年4月になる。
がんの人の手術をどこに入れるか悩むくらい混んでる状態。

ということで新情報は変性の話とリュープリンの件くらいだった。
「何も問題なく丁寧に診察してくれてるから、今の病院でよく相談して手術を受けるのがいいですよ」というのが先生の意見。言外に「わざわざ大学病院に来なくても今のとこで十分なのに」って感じがあったかもしれないけど、偉ぶった感じはないし、私が納得顔をするまで「大丈夫かな?」と聞いてくれた。

結局、何にも診察しないで話しただけなのに15分以上は診察室にいたと思う。
3分診療は嘘だった。納得せずにもっと質問したら、全部答えてくれそうな雰囲気。


----- 受けてみて -----
新しい治療法とか、役立つことがあったわけじゃない。だけど
太鼓判を押してもらえた、というのはすっごく大きかった。
今の病院は、先生が忙しくて疲れた顔してたり、異動の引継ぎが甘かったり、とか多少気になる点があって
これが診断や治療に影響してたら...というのが最大の不安点だったわけだけど、安心して手術に進める。

お腹を切って傷が残るのはしょうがないよね。仕事復帰に1ヶ月以上かかるのも、準備をして対処すればいい。
帝王切開が前提なのは残念だけど、産めないわけじゃない。

しかも
MRIや検査結果のコピー代はとられなかったし
セカンドオピニオンの自費診療(30分3万円かな)を回避して一般の初診扱いにしてもらえたし
紹介状がなくても、MRIで代替して紹介状扱いにしてくれて初診特定療養費も不要
あわせても診察2,100円+交通費460円だけで済んでしまった。

私って運が良かったんだろうか。これが普通なのか、たまたまなのかは不明。
「セカンドオピニオン外来に行かずに、セカンドオピニオンを受ける」作戦が成功したのは事実。
先生に言われたことや治療内容と、質問をまとめた紙に【受診の目的】を書いといたのが効いたかも。
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「治療方針がこれでいいのか確認したい」
「腹腔鏡手術が適応するのか聞きたい」
「現在の方針で問題ないとわかれば早期に手術してしまいたい」
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と一番上にハッキリ書いといたのよね。先生にどうして欲しいのか、を伝えることも大事かも。

セカンドオピニオンで大学病院へ

いよいよセカンドオピニオン。腹腔鏡手術で有名な御茶ノ水のJ大学病院へ。
有名な分、簡単なのも難しい症例も多く経験しているだろうから、ここの先生に「○○ですよ」と言われれば納得できそうな気がしたのが1番の理由だった。個性のある有名な先生1人でもっているような病院だと、何を言われても「この先生が特殊なのかも」と思ってしまうかもしれない、てね。
今の病院の治療方針が正しいかどうかを確認するのが目的だったから。

混む、という情報は得ていたので1日がかりは覚悟してた。そのために出血が多いとか体調の悪そうな日を避けたくらい。
病院到着は初診受付が始まる午前8時。まず名前と住所と受診科を書いて1F 受付に出し、カルテを作ってもらう手続きに1時間。その間にもどんどん患者さんが来て、メチャ込み。待ってる人の椅子が足りなくなるくらい。
遠くなら座れるんだけど、そうすると名前呼ばれてもわかんないじゃん。
(おわったあとの会計の混みようはこんなもんじゃなかった。
銀座の映画館で映画終わって出るとき、くらいの人込み。スミマセ~ンと人をよけながら会計受付に並ぶ。
私は元気だから平気だけど、具合の悪い人は付き添いの人がいないとキツイと思う)

エレベーターを上がって産婦人科外来受付で問診票を書き、MRIの写真やメモ(これまでの経過や質問したことをA4用紙1枚にまとめたもの)と一緒に出した後は、すわって待つ。
椅子が...座りにくい。背もたれが20cmくらいしかないから寄りかかれないし、座面が長いから深くすわると脚がビミョーに床に届かない。腰がいたくなる~。これ妊婦さんだったら大変なんじゃなかろ~か。通ってる地元総合病院はこんなトコも考えてあって、ヘッドレストと腰当て付のふかふか椅子と、ベンチ型の硬い椅子とパイプ椅子があって楽なほうに座ればいいのさ(ってわざわざ説明が貼ってある)。ふかふか椅子が空いててもベンチに座る人が多いトコを見ると、そっちがいいって人も多いみたい。
受付で番号が渡されてて電子掲示板に「何番まで呼ばれてるか」が表示されるはずなのだが、全然更新されない。せっかくツールが揃ってても使われてないんじゃ意味ないよね。いつ呼ばれるか見当もつかないじゃん。朝ごはん食べてないから病院内のスタバに行きたかったのに、受付に聞いても「順番にお呼びします」の一言ですまされた(ちょっとムッ)

呼ばれたのは1時間後くらい。席に座ると、先生はじ...っと私が提出したメモを熟読中。話しかけるのもどうかと思い、黙って待つ。私のMRI写真が7枚ババッとはってある。もう見たのかな。
医学生とかいるかな~と思って見回したけど、看護師が1人いるだけ。っていうか他の人がいる場所がない。狭い。モノが多くてゴチャゴチャ。汚いわけじゃなくて無理にブースで仕切って診察室増やしたんだな、って感じ。

いよいよ先生が口を開くと...(続く)

2007年5月19日土曜日

ずっと前から自覚してたの

前にも書いたけど、1年以上前から体調に変化があったことには気づいてた。ただ、病気だとはカケラも思ってなかっただけ。この際だからどんな症状が出たのかまとめとこう。

【過多月経】
子宮内膜症では普通だけど、筋腫の場合できた位置によって症状は出たり出なかったりする症状だそうだ。
私の場合、手帳のメモによると最初に気づいたのは2005年の11月。とにかく量が多かった。塊みたいなのも毎月のようにあったし。生理期間中に1回~1日数回くらいにだんだん回数も増えていった気がする。
周期が短くなる人も多いらしいけど、もともと不順なのでよくわからない。入院の1か月前の生理は2週間も続いたのに、その次までの周期はたった23日と短かった。

【貧血症状】
立ちくらみについては自覚してた。
急いで歩いたときや駅の階段なんかで息切れしてたのはたぶん3月ごろからかな。はあはあするのと同時に手足が重ーくなるの(酸素が足りないからね)。
たださ~これって運動不足だと思うよね。わたし仕事が一段落したらスポーツクラブに行こう!と思ってたもん。
息切れと同時に気分も悪くなってむかむかする。ちょうど徹夜の仕事明けで家に帰るときと同じような感じなのよ~これが。だから仕事が忙しくて疲れてるんだと思ってたのよね。だるさも感じてたけど、これも同様。

氷食症、これは数日後になってネットで色々調べてくれた母が教えてくれた。その名のとおり、氷ばかりバリバリ食べること。鉄分の不足を補うためとか口の中の温度を下げるためらしい。
これも1年以上前からだったな~単にバリバリする感覚が好きなだけだと思ってた。母親が昔からよく夏の暑いときに冷凍庫から1個出して食べてたしね(歯を大事にするために、やめたらしい)。
ただ、毎日会社から帰って寝るまでの3,4時間で製氷皿3コ分は余裕で食べてた。他の飲み物は飲まずに、しかも冬も。こうやって書いてると確かにおかしいかもしれないんだけど、単なる嗜好だと思ってたわけさ。

あとはお約束の顔色、爪の色の悪さかな。病院へ行った日はいろんな人に言われまくった。青いっていうより白いって。壁の色みたい、とか。なのに自分では全く気づいてなかったよ。鏡をまじまじ見なくても化粧くらいできるし、それ以外で鏡みるほどナルシストじゃないの、私。
周りの人にも誰からも言われなかった。毎日顔を合わせるのは基本的に職場の人だけ。若い男の子ばっかだから、気づかないだろうし、仮に気づいても30過ぎのオンナには言いにくいだろう。
家族は会うのが1年に数回(お正月だけかも)だからね。友達もそんなに頻繁に会う人はいない。メールの方が多い。
変化も少しずつだったんだろうから気づきにくかった。

本やネットで調べたり、先生に聞いた話によると
貧血にもいろいろあって、私の場合鉄欠乏性貧血というのだそう。いちばんありふれてるものらしい。
酸素を運ぶヘモグロビンが血中に12~15g/dlあるのが女性の場合普通らしいのだが、私は入院した日3.2しかなかった。最初の病院で「3.7しかないんです~」と看護師が驚いてたのもこれ。
11を下回ると貧血として治療が必要らしくて、K先生曰く「普通5~7くらいになったら動けなくなって、病院に来るもんですけどね~」と言ってた。3になってもまだ病気だと思ってなかった私は相当鈍感みたい。周りの人は「我慢強い」とか言ってくれるけど、単に気づかなかっただけなのよ、うん。

2007年5月18日金曜日

そして病棟1日目

外来診察室からエレベーターで4Fへ上がっていく。ストレッチャーってずいぶんゴロゴロうるさいのね。天井と壁しか見えないのに、それがどんどん動いてく。ジェットコースターみたいで面白かったけど、苦手な人なら酔っちゃうんじゃないだろうか。
受付みたいなところ(ナースステーション)で別の看護師に引き渡された。そうか、外来と病棟って担当が違うんだ。「この人で最後で~す」と言ってる。ううっごめんなさい、外来の時間を大幅にオーバーしちゃって。残業になっちゃうのかなぁ看護師さんたち。

ナースステーションからすぐの病室に入って、そこにあるベッドに乗り移る。部屋は結構広い。殺風景だけど家具なんかは木目調だし出窓もある。カーテンや寝具がピンクなのは女性しかいない病棟だからかな。

ベッドに落ち着いてしばらくしたらK先生が来て、更に詳しく図解しながら説明してくれる。
病気は子宮筋腫/子宮腺筋症/子宮内膜症のいずれかで、腺筋症ではないかと思うとのこと(なんでだろう?)。
筋腫は子宮との境がはっきりしてるので手術でとりやすい。内膜症なら点在してるので取りにくい。
偽閉経療法という方法があって、薬で6ヶ月くらい閉経状態にするらしい。つまり生理がないってことだ!♪ 出血しないから貧血が改善するし、筋腫が小さくなることもあるらしい。
ただ~し、月経5日目くらいから薬投与を開始する必要があるので来月からになる。がっくり。次のは来ちゃうのね。
あとは輸血の説明と同意書にサイン。毎日1単位ずつ、最低でも3日は続けるって。肝炎などリスクがあって割と大変なことらしい(毎回輸血開始時に誰か医師がきてCHKしていた)。

家族に連絡して着替えとか必要なものを持ってきてもらいなさい、と言われ考えたのは
・実家はここから2時間。歳とってるものの元気な祖母と、母。夕方遅い時間(6時くらいだった)から母を呼び出すのは避けたい。きっと疲れちゃう。
・父は1時間くらいのトコ(会社)にいるだろう。ただね~婦人科だし。この内容を話すのはちょっと抵抗がある。
・妹も1時間くらいのトコ(会社)にいる。以前一緒に住んでたことがあるので、私の住んでるとこや病院近辺に土地勘もある。よし、決まり。

電話したらちょうど会社をでたところを掴まえることができて、7時半くらいに来てくれた。感謝。
先生から話を聞きたいといってたのだが、K先生は勤務時間が終わりで間に合わず。病棟の当直のK島先生(男性)がかわりに説明します、と看護師が言ってたのになかなか来てくれない。その間に妹に、着替えはココ、化粧品はココ、と置き場所を教えて、持ってきて欲しい物をリストアップ。
やっと先生がきて説明してくれたんだが、ぶっきらぼう。名乗りもしないし。妹は着替えを取りに行く前に、ってせっかく待ってたのにぃ。
結局、妹が着替えやらなにやら大荷物を持ってきてくれたときには夜10時を過ぎてた。実家まで帰ると大変なので、私の家に泊まってもらった。

普通は、外来を受診しているなかで入院は○日から、って決めて荷物とか準備してくるもんなのね、入院って。
私は初めてなので知らなかったけど。こんな風にその日に、っていうのを「緊急入院」って言うらしい。なんか重病なカンジ。

11時には電気を消されて「消灯」と言われても、ね、寝れない。だって普段ならまだ会社で仕事中だよ。そろそろまとめに入って帰らなきゃ~って時間。眠くなるわけがない。おまけにお腹がすいてきた。夕飯ほとんど食べれなかったから。しかたなく妹が置いていってくれたミカンをたべる。その後も2時間おきにナプキン交換。とても熟睡はできなかった。

貧血で入院...ってアリ?

タクシーで総合病院に着いたのは4時半くらいだろうか。当然受付は終わってたけど、お会計待ちの人たちがいるところで紹介状を出す。連絡がいっていたらしく、そのまま2Fの産婦人科受付へ行ってください。と言われてそっちでまた問診表書いてって。
新しくてきれいだし、吹き抜けがあって広々してる病院なんだけど、さすがにこのときは目に入ってなかった。

すでに産婦人科待合室には誰もいない。受付に人はいるけど先生はいない様子でしばらく待たされた。頭がぼーっとして急に病人になった感じ。具合が悪くなったっていうより、自分で病気と思うともうダメで動けない。お腹まで痛くなってきた。こんなときに生理痛なんて~っ。しかもいつもよりひどい。

診察はK先生。私とほぼ同世代と思われる女性。紹介状のおかげで状況わかってるのか先生も看護師もあわててなくて安心する。ここでも最初のひとことは「顔色悪い」。もう3度目だってば。
まずは内診。もうなんかどうにでもしてって感じで恥ずかしさとか緊張感はない。やってることは最初の病院と同じ、たぶん。お腹が痛くって正直それどころじゃない。
ほら、ここに筋腫がある触ってごらん。と言われるが、下腹が固いことしかわからない。こんなとこまで子宮があるのよ、って言われても、正常な状態がどうなのか知らないよ~。
あ、お腹痛いよね~がんばってね。と言われたのにはびっくりした。わかるんだ~。子宮が収縮(ってことはお産のときとおなじ)してるから痛い、というのが生理痛なんだって。
途中で管みたいので、ごぼごぼ経血を出してる。診察に邪魔なのかな。しかし終わらないな~大量だ。これだけ出れば今月分は終わってくれるかも♪「普通の人の3か月分は出たよ」だってさ。

終わって下着をはいてたら、うぅっ何かへん。目の前が白くなってく~立ちくらみだぁ~いつもより酷いよ~(当たり前だよね、機械で一気に大量出血させたんだから)
カーテンの向こうで待ってた看護師が察知したのか、来てくれた。もう目の前がまっしろで何にも見えない。誰かに支えられて固くて狭いベッド(たぶん診察用)に寝かされた。よってたかって腕にいろいろつけてる。血圧計のバンド?と点滴と、たぶん採血。あとはよくわからん。周りは見えないけど声は聞こえる。「点滴全開」ってわぁ~ドラマのERとかでよくあるよね~とか頭は働いてたけど正常かどうかはよくわからない。

実のとこ、くらっとしたのは少しの間だけで「寝てれば平気」というカンジだったと思う。
先生がパソコンに入力しながら(電子カルテだね)説明をしてくれる。よく電子カルテだとPCばかり見てて患者のほう向いてくれない、って意見をネットで見かけるけど、この先生は私のほう見ながら話しつつ、入力も同時にやってる。
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子宮筋腫はね、大丈夫です。そんな緊急で処置しなきゃいけない病気じゃないし、薬で治療する方法も手術でとることもできる。ただ、筋腫とは限らなくて子宮内膜症とか腺筋症って可能性も高いので来週MRIで検査します。予約とっとくので火曜か木曜ね。
入院しなきゃいけないのは、貧血のせい。毎月大量に出血してるでしょ。それで血が足んなくなっちゃったのよ。輸血も必要かも。どこで倒れちゃうかわかんないからベッドで安静にしてくださいね。病状からいって個室じゃないと厳しいと思うけどお金大丈夫?(はい~貯金は一応ある)
ご飯かおかゆか選べるけどどっちがいい?(おかゆで~これは失敗だった。このときはお腹が猛烈に痛かったのでそう言っちゃったけど、痛いときじゃなきゃ普通にご飯食べれたのに)
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話したのはこれくらいだろうか。

筋腫はがんとかじゃないのね。先生の話しぶりからいって後回しにしていいらしい。
けど、貧血?。電車とかで気分悪くなって倒れる人いるけど、そんなんで入院になることってあるんだ。輸血って普通は事故とか手術のときだよね。病気の人は点滴って聞くもん。ってことは相当まずいのかな。
「歩けなくなることが1日に数回あるだけなんだけど」って言ったらば「それがまずいんだ」と言われてしまった。そうか、やばいのか。
「だいたいアナタは我慢強いのよ~立って歩いてるのが不思議なくらいなんだからね。よくひとりで病院へきたわね。普通救急車よ。せめて誰かについてきてもらうとか・・・」

だって...昨日まで会社行ってたし。だるいのは生理中だからだと思ってたし。仕事に集中できないのは単なるサボリ癖だと思ってたのよ、うん。
(この後に及んでも危機感なし。ちょっとは怖がってもいいんじゃないかと思うけど好奇心が先にたってしまう性格なんだな~ワタシ)

看護師さんがストレッチャーをゴロゴロ転がしてきて、そっちへ移る。
さぁ~人生初の入院だっ。

初めての産婦人科 本編

そもそもこの日は、朝シャワー後の立ちくらみがひどくて午前中はベッドで寝てた。昼になっても治らないので病院に行く覚悟を決めて、会社は休むことにする。

病院の午後の診察は3時から。行ったら待合室には3,4人くらいしかいない。あれぇ、ネットでは混んでて待たされるって書いてあったのに。後で知ったけど実は診察は2時からだったらしい。金曜も夕方近かったので患者が少なかったみたい。妊婦さんもほとんどいなかったし。

まずは問診表に記入。うーむ、やっぱりセックスしてるかって聞かれちゃうのね。彼氏と別れたのは数ヶ月前だから妊娠の可能性ナシ。つーか生理中だし(笑)。初潮年齢?忘れちゃったよ、そんなの。尿検査もしっかりあった。

次は看護師に呼ばれて、廊下みたいな薄暗いところで記入した問診表を補足していく。
顔を見た瞬間「顔色悪い!」と言われた。そりゃー気分悪いもんって思ったけど、看護師は貧血のことを言ってたらしい。いろいろ聞かれたと思うけど、記憶に残るような質問はなかった。
ほとんど待たずに今度は診察室へ。50代かなってかんじのおばさん先生。用件をてきぱき話す人で私はこういう人が好きだ。というよりオバチャン的イメージの人は苦手。慣れてないから。
こっちでもひとこと目は「顔色悪い」。
そんなに?最近わたし、あまり自分の顔まじまじ見てないかも。

話はそこそこに、まず内診。診察室の横のカーテンをくぐったとこに脱衣カゴがあって下着を脱ぐ。なんとなくわかってたのでプリーツスカートで来て正解。パンツを脱ぐだけで済む。ズボンだと下半身すっぱだかになっちゃうもんね。先生との間にはカーテンがあってお腹の上で上半身と下半身に仕切られてるかんじ。超音波のTVが横の壁にあって先生からも寝てる私からも見えるようにできている。全体に狭いし設備は古いように見えるけど、なんか機能的なかんじの診察室だった。
いざ内診となると膝を限界まで開かれちゃう。い、痛いよ、関節が。恥ずかしい格好なんだけど、それよりやっぱり緊張する。けど結局、金属の道具を口の辺りにあてて広げられちゃったのがちょっとだけ痛かったくらいで、あとは大丈夫。先生も「超音波の道具がはいるよ」とか「ついでに子宮がんの検査もしとくね」とかちょこちょこ声をかけてくれるし、カーテン越しの言動が無駄がないってかんじでさくさく進む。
で、言われたのが「子宮筋腫があるね~、ほら」って超音波の画像を見せてくれるんだけど、はっきり言って砂の嵐状態で全然わからない。

内診台を下りたら、さっきの廊下へ出て看護師が採血。高校生の頃からよくお菓子目当てに献血に行ってたくらいだから針は怖くない。こっちは順調。

診察室へ戻ってやっと説明。筋腫っていうのはね...と印刷された資料をもとに説明が始まったんだけど、ろくに聞かないうちに看護師が走ってきて先生に言う。「3.7なんですけどっ!!」声がうわずってた。マジ冗談じゃなく。私はというとそれで焦るっていうより「おいおい、そんな言い方したら患者が不安になるでしょ。ちゃんとプロ意識もたなきゃ」と心でツッコミ入れてた。最近若い社員を教育することが多いから、どうしても見方がそうなっちゃう。

なのに、先生まで「えっ」と言って検査結果を見たら「アナタ入院しなきゃ」と言う。
ん?そんなに?筋腫ってもしかして腫瘍?ってがん?相当まずいの?と色々なことが頭を駆け巡る。なんで考えてるヒマがあったかっていうと、先生が私のことそっちのけで紹介先の病院を探し始めちゃったから。

あわててどこかに電話をかけて「○○(なんかの略語)が3.7しかないんです。この状態で一人暮らしの家へ帰せません。この病院では不安なので大きい所で全身管理してください。」って言ってる。
どこか大きい病院へかけてるんだな、ってことはなんとなくわかる。あいにく金曜の夕方4時くらいだから、どこも外来は終わりの時間。1つ目の超有名大学病院はダメだった。2つ目は区内の総合病院。名前はきいたことあったけどどこにあるか知らない。こっちはOKらしい。

すっかり放置されてる間にふと見ると、採血跡の血が止まってない。あれ?こんなこと初めて。
見覚えのあるどろっとした感じじゃなくてサラサラしてる。看護師が気づいて綿を替えてくれて、ついでに「あなたの血液こんなだよ」と採血した試験管を見せてくれた。色がヘン。赤黒いはずの血が赤茶けてる。
なんか普通じゃないかも。

先生は紹介状を書きながら、少し話してくれた(決して説明ではない)。「あなた本当に具合悪いのよ。このまま入院になるからね。家帰って準備なんて考えちゃダメ。どこで倒れるかわからないから。あ、受付さんタクシー呼んでっ。お会計もここでねッ!」すっごい早口。
「子宮筋腫はね、そんな悪性の病気ってわけじゃないから。手術すれば治るから。大丈夫よ。」

こんな説明で何をわかれっちゅーんだ。私は知識を吸収するのは得意なほうだし理解力もあるはずなんだけど、これじゃ無理。親身になってくれてるのはわかるので、反感はないけどねぇ...
後になってわかってきたことだけど、ここはお産でわりと知られた病院だった。けど基本的には正常分娩をする人向きの所で、何か問題のあるお産は近くの総合病院へ廻すとのこと。婦人科で、しかも症状がよろしくないとなると看護師が慣れてないから入院させても対処しきれないんだって。産婦人科ってひとくくりにすることに無理があって、ここはあくまで「健康な妊婦さんが安心してお産をするところ」だった。

で、タクシーに乗せられた(笑)。
しかし、先生たちの緊迫感のわりに私は全然危機感ナシ。今(書いてるのは6月中旬)思い出しても、なんでかわからない。
貧血のせいで頭が働いてなかったんだろうか。

初めての産婦人科 まえがき

いきなりだけど、お題は生理の話。
ずっと前から量が増えたな~と思ってた。たぶん1年以上前。
だけど30代にもなれば体質も変わってくるだろうしそんなもんかな、で済ませてた。済まなくなったのは、立ちくらみがひどくなったせい。一番ひどいのはお風呂あがり。といっても朝シャワー派なので湯船は1年中使わない。なのにほぼ毎日、脱衣所のバスマットの上で座り込むのが恒例行事。3月くらいに「生理のときと立ちくらみが連動してる」ことにやっと気づいた。早く気づけよってかんじだけど、仕事もけっこう忙しかったり不規則な生活で寝不足だったりしてるので、それまでは気づかなかった。
4月の生理のときは、自宅から駅まで歩いて5分の距離が苦しくて気分が悪くなる。

それに、1時間ごとにトイレに行ってナプキン交換しないとならないので、仕事中にとっても困る。MTG中にしじゅう席を外すのも言い訳つかないし、うちの職場は20代の男の子ばっかりだから説明するのは絶対イヤ。
夜も大変。1時間おきにアラームかけてトイレに行かないとならない。疲れて寝入ってしまいシーツやら布団やら汚してしまうこと数度。とうとうお子様用のおねしょシーツまで通販で買ってしまった。これならマットレスまでは汚れないからシーツの洗濯だけで済む。

うもぅ~メンドクサイっ!!どれもこれも出血量が多いせいなんだ!
今日なんかだるくって会社休んじゃったし。
この際病院に行って、これを軽くしてもらおう。低容量ピルもらったら軽くなるんじゃないのかな(←私のただの思い込みなので参考にしちゃダメ)。幸い家から30秒の距離に産婦人科がある。一応ネットで検索してみたら女医さんなので安心、とか書いてあった。30歳の健康診断のときに一度内診受けたことある(このときも女医だった)けど、産婦人科ってのは初めてだしやっぱり女性がいいな、と思ってここにする。
よし、産婦人科デビューだっ!