そもそもこの日は、朝シャワー後の立ちくらみがひどくて午前中はベッドで寝てた。昼になっても治らないので病院に行く覚悟を決めて、会社は休むことにする。
病院の午後の診察は3時から。行ったら待合室には3,4人くらいしかいない。あれぇ、ネットでは混んでて待たされるって書いてあったのに。後で知ったけど実は診察は2時からだったらしい。金曜も夕方近かったので患者が少なかったみたい。妊婦さんもほとんどいなかったし。
まずは問診表に記入。うーむ、やっぱりセックスしてるかって聞かれちゃうのね。彼氏と別れたのは数ヶ月前だから妊娠の可能性ナシ。つーか生理中だし(笑)。初潮年齢?忘れちゃったよ、そんなの。尿検査もしっかりあった。
次は看護師に呼ばれて、廊下みたいな薄暗いところで記入した問診表を補足していく。
顔を見た瞬間「顔色悪い!」と言われた。そりゃー気分悪いもんって思ったけど、看護師は貧血のことを言ってたらしい。いろいろ聞かれたと思うけど、記憶に残るような質問はなかった。
ほとんど待たずに今度は診察室へ。50代かなってかんじのおばさん先生。用件をてきぱき話す人で私はこういう人が好きだ。というよりオバチャン的イメージの人は苦手。慣れてないから。
こっちでもひとこと目は「顔色悪い」。
そんなに?最近わたし、あまり自分の顔まじまじ見てないかも。
話はそこそこに、まず内診。診察室の横のカーテンをくぐったとこに脱衣カゴがあって下着を脱ぐ。なんとなくわかってたのでプリーツスカートで来て正解。パンツを脱ぐだけで済む。ズボンだと下半身すっぱだかになっちゃうもんね。先生との間にはカーテンがあってお腹の上で上半身と下半身に仕切られてるかんじ。超音波のTVが横の壁にあって先生からも寝てる私からも見えるようにできている。全体に狭いし設備は古いように見えるけど、なんか機能的なかんじの診察室だった。
いざ内診となると膝を限界まで開かれちゃう。い、痛いよ、関節が。恥ずかしい格好なんだけど、それよりやっぱり緊張する。けど結局、金属の道具を口の辺りにあてて広げられちゃったのがちょっとだけ痛かったくらいで、あとは大丈夫。先生も「超音波の道具がはいるよ」とか「ついでに子宮がんの検査もしとくね」とかちょこちょこ声をかけてくれるし、カーテン越しの言動が無駄がないってかんじでさくさく進む。
で、言われたのが「子宮筋腫があるね~、ほら」って超音波の画像を見せてくれるんだけど、はっきり言って砂の嵐状態で全然わからない。
内診台を下りたら、さっきの廊下へ出て看護師が採血。高校生の頃からよくお菓子目当てに献血に行ってたくらいだから針は怖くない。こっちは順調。
診察室へ戻ってやっと説明。筋腫っていうのはね...と印刷された資料をもとに説明が始まったんだけど、ろくに聞かないうちに看護師が走ってきて先生に言う。「3.7なんですけどっ!!」声がうわずってた。マジ冗談じゃなく。私はというとそれで焦るっていうより「おいおい、そんな言い方したら患者が不安になるでしょ。ちゃんとプロ意識もたなきゃ」と心でツッコミ入れてた。最近若い社員を教育することが多いから、どうしても見方がそうなっちゃう。
なのに、先生まで「えっ」と言って検査結果を見たら「アナタ入院しなきゃ」と言う。
ん?そんなに?筋腫ってもしかして腫瘍?ってがん?相当まずいの?と色々なことが頭を駆け巡る。なんで考えてるヒマがあったかっていうと、先生が私のことそっちのけで紹介先の病院を探し始めちゃったから。
あわててどこかに電話をかけて「○○(なんかの略語)が3.7しかないんです。この状態で一人暮らしの家へ帰せません。この病院では不安なので大きい所で全身管理してください。」って言ってる。
どこか大きい病院へかけてるんだな、ってことはなんとなくわかる。あいにく金曜の夕方4時くらいだから、どこも外来は終わりの時間。1つ目の超有名大学病院はダメだった。2つ目は区内の総合病院。名前はきいたことあったけどどこにあるか知らない。こっちはOKらしい。
すっかり放置されてる間にふと見ると、採血跡の血が止まってない。あれ?こんなこと初めて。
見覚えのあるどろっとした感じじゃなくてサラサラしてる。看護師が気づいて綿を替えてくれて、ついでに「あなたの血液こんなだよ」と採血した試験管を見せてくれた。色がヘン。赤黒いはずの血が赤茶けてる。
なんか普通じゃないかも。
先生は紹介状を書きながら、少し話してくれた(決して説明ではない)。「あなた本当に具合悪いのよ。このまま入院になるからね。家帰って準備なんて考えちゃダメ。どこで倒れるかわからないから。あ、受付さんタクシー呼んでっ。お会計もここでねッ!」すっごい早口。
「子宮筋腫はね、そんな悪性の病気ってわけじゃないから。手術すれば治るから。大丈夫よ。」
こんな説明で何をわかれっちゅーんだ。私は知識を吸収するのは得意なほうだし理解力もあるはずなんだけど、これじゃ無理。親身になってくれてるのはわかるので、反感はないけどねぇ...
後になってわかってきたことだけど、ここはお産でわりと知られた病院だった。けど基本的には正常分娩をする人向きの所で、何か問題のあるお産は近くの総合病院へ廻すとのこと。婦人科で、しかも症状がよろしくないとなると看護師が慣れてないから入院させても対処しきれないんだって。産婦人科ってひとくくりにすることに無理があって、ここはあくまで「健康な妊婦さんが安心してお産をするところ」だった。
で、タクシーに乗せられた(笑)。
しかし、先生たちの緊迫感のわりに私は全然危機感ナシ。今(書いてるのは6月中旬)思い出しても、なんでかわからない。
貧血のせいで頭が働いてなかったんだろうか。
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